政界再編 2012 3 18
2012年3月18日、時事通信社のニュースには、このようなものがありました。
(以下、引用)
岡田克也副総理が、自民党の谷垣禎一総裁に近い幹部に、
民主、自民両党の大連立を打診していたことを受け、
18日、両党幹部から大連立に否定的な発言が相次いだ。
自民党の石原伸晃幹事長は仙台市内で講演し、
「それが事実なら、
(消費増税関連法案をめぐる)民主党内の説得を諦めて、
野党に話をしたということ。
今ごろ何をやっているんだ、というのが率直な気持ちだ」と不快感を表明。
その上で、「党内をまとめられないのに、
野党に協力してもらいたいと言われても、
私たちは、いつ沈むか分からない船に一緒に乗って航海を助ける余裕はない」と断じた。
(以上、引用)
石原伸晃幹事長の発言は、政党政治から見れば、当たり前の話です。
しかし、そうは言っても、野田政権から見れば、
谷垣自民党は、使いやすく見えるでしょう。
うまくすれば、谷垣自民党は、野田民主党の別動隊のように動いてくれ、
まるで第二の民主党のように親近感を持っているのではないでしょうか。
事実、今の自民党は、民主党と大差がないようにも見えて、
いったい、民主党と比べて、どこが違うのか、わかりにくくなっています。
民主党のお家芸である「迷走」という政治ショーに埋没してしまって、
今の自民党は、存在感がないと思います。
このような状況だから、いくら民主党が迷走しても、
いっこうに、自民党の支持率は、上昇しません。
しかし、このような政治状況は、好ましいものではありません。
これでは、国民の間に、政治的な無関心が広がります。
民主主義の敵は、衆愚政治と政治的な無関心です。
「大きな政府」志向の政党は、十分ありますから(民主党と自民党)、
保守色が強くて、かつ「小さな政府」志向の政党が出てきてほしいと思います。
つまり、大きな政府志向の政党と小さな政府志向の政党で、政策論争をする。
こうなれば、国民の政治的な関心が高まり、
民主主義の発展に、いや日本の発展に寄与すると思います。
大きな政府と増税 2012 3 3
民主党政権は、「大きな政府」にした挙句、
税金が足らなくなったから、増税をする。
後から振り返ってみれば、そう思う有権者が多くなるかもしれません。
以下は、nikkei BP netで竹中平蔵氏の指摘です。
「この5年間に、日本の政府の規模は20%も大きくなっているんです。
2007年くらいまで、日本の歳出規模は、だいたい82兆円でした。
それが2012年度は95兆円、隠れ借金を入れると97兆円です。
15兆円増えています。
この間、GDPはマイナス成長です。
GDPが減って、国民の財布が小さくなっている時に、
政府の規模だけが20%も増えているのですから、
異常な状況と言わざるを得ません。
確かに社会保障費は増えていますが、
せいぜい1年で1兆円のペースですから、
この5年間で増えたのは4兆〜5兆円です。
それ以外の約10兆円はバラマキで増えたんですよ。
例の「事業仕分け」で、
随分とムダを削ったように思われているかもしれませんが、
小さなムダを削って大きなバラマキをやったので、
政府の規模は15兆円も増えています。
(以上、引用)
民主党政権は、「小さな政府」路線だった小泉政権への反動として、
誕生したとも言えるでしょうから、
民主党政権は、必然的に「大きな政府」路線にならざるを得ないのでしょう。
しかし、「大きな政府」路線では、
いくら税金があっても足りないでしょう。
「大きな政府」と増税は、セットのようなものです。
だから、政権交代前のマニフェストでは、
「我々は自民党政権と違って、『大きな政府』路線なので、
大幅な増税をさせてくれ」と言うべきだったでしょう。
問題なのは、今の日本の政治状況でしょう。
今の自民党も、「大きな政府」路線に近いでしょうから、
国民から見れば、あまり存在価値を感じないでしょう。
二大政党とも、政策に「差異」が出てこないかもしれません。
しかし、これでは、国民は閉塞感を感じるかもしれません。
理想的には、「大きな政府」路線の政党と「小さな政府」路線の政党で、
二大政党を構成する方が、国民にとって、わかりやすいでしょう。